完全自殺マニュアル

1993年(平成4年)7月初版発行

著者 鶴見済

出版社 太田出版

定価 1165円(税別)

 

★感想★
 青木ヶ原樹海を訪れる自殺志願者には良く読まれているマニュアル本。
発見される自殺遺体の側、または遺留品の中から見つかる事が多く、
土の中に半分埋もれていても、帯に使われている銀紙や、カバーの箔押し
などでよく目に付きます。また首吊りの自殺方法が図で示された部分の
コピーが落ちていた事もあります。
 本作に書かれている、死体が絶対に見つからないエリアでは
よく自殺遺体が発見されています。ここにも本作の影響が見てとれます。
 1993年初版なので、一部の自殺志願者には時代遅れと言われています。
本作では「自殺マップ」(言い換えるならば自殺の名所という意味)
という分類で高島平団地、三原山と共に樹海が紹介されています。
確かによく調べられているのですが、出版から10年以上経つ現代に
おいては、やはり時代遅れと言えるでしょう。
文章内にも「絶対に誰にも知られずにひっそりと自殺したいならば迷わず
樹海に踏み入る事をお勧めする。」と書いてあったり、
最後も「こうしてあなたは人々の記憶から永遠に忘れ去られる。」
と結ばれていますが、その全てにおいて、絶対に違うと断言します。
それは何故かというと、現代においてはハンディーGPSがありますので、
樹海内の探索は以前に比べて容易です。(使い方を誤ると遭難するが)
その為、絶対に死体が見つからないというエリアでも、
樹海内のどこで自殺しようとも、探索者に必ず発見されます。
 樹海では誰にも知られずに死ぬ事も、人々の記憶から永遠に
忘れ去られる事も絶対に出来ないのです。
 私からみれば、この本に書いてある事を信じ、その通りに自殺をした
結果、騙されている事にも気づかず、他人に発見され、自らの無惨な体を
人目にさらす事になるなんて、こんな哀れな事はありません。
この本を読んで、樹海で自殺をしようとするのならば、それは非常に馬鹿げた
考えです。絶対に止めてください。

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